2020年1月23日木曜日

藻類と光合成色素の話

藻類では光合成色素が非常に大切です!時々入試問題でも聞かれるんですね。。

私も「藻類がどの光合成色素を持っているか」が書かれた資料集のページのページ番号を覚えてしまっているぐらいですから。。笑


今回はこれについて少し説明したいと思います。

例えば緑藻はクロロフィルaとクロロフィルbを持っていますよね?つまり緑藻から植物は陸上に進出したと考える訳です。アオサはこの緑藻です。お好み焼きの上にふりかけるものにアオノリ以外にアオサって売っているのを見たことがないですかね?(私は大阪なので、大阪だけかも知れませんが・・)
アオサは緑色をしているのでもちろん緑藻です。

植物の進化では、藻類からシャジクモ類(車の軸にタイヤがついた形に似ているので車軸藻類と言います)、そして陸上植物に進化したと言われています。 フラスコモはこのシャジクモです!(でもフラスコモという名前よりシャジクモでの名前での出題が多い気がします) さて、藻類の話に戻りますが、植物は基本的に緑色をしていますよね?これって「赤色の光」「青色の光」は利用して、「緑色の光」は利用せず反射しているからでしたよね? ただ藻類のように水中に入ってしまうと、利用できる光が減少してしまうんです。具体的に言うと、赤色の光は水中で吸収されてしまい、青色と緑色の光のみ届くようになるんです。 ではどのように対応しているのか? 褐藻類では「「青色の光」をより効率よく吸収する」という作戦をとっているんです。フコキサンチンやクロロフィルcは幅広い青色の光を吸収することができます。
褐藻類の代表例はワカメやコンブなどですかね!ワカメ緑色のイメージがあるかも知れませんが、それは茹でた後の色であって、もともとは褐色です。 紅藻類では1番深いところで生育しているので、「クロロフィルではあまり吸収できない緑色の光を吸収する」という作戦をとっています。紅藻類が持っているフィコビリンという光合成色素は緑色や黄色の光を利用できるんです。紅藻類の代表例はテングサやアサクサノリです。テングサとか知らないですかね?よく磯でテングサを集めている方を見かけます。それを干して、「ところてん」の材料にするんですね。
あと、アサクサノリが緑色イメージだと言う人がいますが、きっとそれはアオノリのイメージが強いということなんでしょうね!・・でも考えてみて下さい。わざわざ"アオ"ノリと名付けられているということは、ノリは基本緑色じゃないということですよ。ノリは基本紅藻類です。(それでも「紅色」というのがイメージしにくいのだと思います。乾燥させると色が変わりますからね。)最も種類が多いのも紅藻類なんです。 あと乾燥海苔を食べますよね?私もご飯と海苔だけでバクバク食べてしまいますが。昔はアサクサノリを使っていました。でもスサビノリという種の方が成長が早いので、最近ではこのスサビノリをよく養殖に使います。 アサクサノリやスサビノリが私たちのよく食べている海苔で紅藻類なんですね。

あとはボルボックスですが、これは緑藻ですが、アオサなどと比べてはるかに小さいです。顕微鏡で見るレベルですね。クラミドモナスという単細胞の緑藻がいるのですが、ボルボックスはこのクラミドモナスのような生物がたくさん集まってできています。つまり1つ1つが単細胞生物。それが集まってできています。こういうのを細胞群体というのでしたね。

2020年1月21日火曜日

有胚乳種子と無胚乳種子の覚え方

無胚乳種子・・
「胚乳が無い種子」と書きますよね?では栄養はどこに蓄えるのでしょうか?(もちろん胚乳ではありません)。胚乳の代わりに子葉に蓄えるのです。だから子葉も大きく双葉になっています。だから双子葉類は無胚乳種子のものが多いんですね!
代表例(マメ科、アブラナ科、ブナ科(クリ)、ヒルガオ科(アサガオ))

有胚乳種子・・
「胚乳がある種子」と書くくらいなので、この胚乳に栄養を蓄えています。子葉に栄養は蓄えないので、子葉は小さく単子葉になっています。だから単子葉類は有胚乳のものが多いんですね!
代表例(カキ、イネ、トウモロコシ)

ただし、よく出題される例外は「カキ」です。カキは双子葉類ですが、養分を胚乳に蓄える無胚乳種子なので注意して下さいね!!

2020年1月20日月曜日

制御性T細胞について

高校生物選択者のために、簡単に制御性T細胞(Tレグ)について書いてみました。(少し基本的過ぎるかも知れませんが・・。) 私たちの免疫ではどのような抗原がやってきてもそれにピタッとくっついてやっつける受容体があります。
受容体の形はなんと1000億種以上あります。
でもそれなら自己成分にも反応して攻撃してしまうのでは?と思いますよね。 そうならないようにT細胞が胸腺で成熟する過程で、T細胞の教育が行われるんです。
例えば自己成分に強く反応してしまうT細胞は排除します(これを負の選択といいます)。
なぜなら自己成分に反応して、自分を攻撃してしまう可能性があるからです。

逆に自己成分と全く反応しないものも排除します(これを正の選択といいます)。
なぜならそういうものは外から入ってきた抗原に対しても反応しないからです。

こうして自己成分に反応しないしくみ(中枢性の免疫寛容)がはたらいています。(ここではT細胞で話をしましたが、B細胞も同じようなしくみがあります) ただ、このはたらきによっても排除されずに残ってしまう自己に反応してしまうT細胞があります。
それを抑えるのが「制御性T細胞(Tレグ)」なんですね。

この制御性T細胞の機能が低下してしまうと、自己成分に反応して攻撃してしまうことによって生じる「自己免疫疾患」が起こります。関節リウマチやⅠ型糖尿病などが有名ですね。 ある研究では、家畜とふれあうとアレルギーになりにくいということを調べていると、家畜と普段からふれあっている人ではこの制御性T細胞が増えていたという報告などもあります(NHKの番組でやっていたものなのでどこまで本当かどうかは怪しいところもありますが・・) またこの制御性T細胞は日本人の坂口志文によって発見されたことでも有名ですね!

「KEM BIOLOGY」ブログ 本格始動!!

2019年度のセンター試験が終わりましたね。皆さん本当にお疲れ様でした!

2019年は私も高校生物・生物基礎のYou Tube動画をアップし続け1年間に約150本の解説動画を作成しました。そしてYou Tubeのチャンネル登録者も1000人を超えました。

今年はYouTube動画を作成しつつ、ブログで内容を文章として残していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。目指せ1日1投稿!!

You Tubeチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/channel/UCNs44pVYt49mkdW8TzvG51w