2018年2月28日水曜日

高校生物(専門)「胚葉から分化する器官」

☆胚葉から分化する器官☆
下の表はしっかり覚えて下さいね!











さて、脊索のところに「器官形成で中心的な役割を果たし、後に退化する」と書いているのですが、ここで「あれ?」と思う人はいませんか??
「原口背唇部と脊索の違い」って何でしょうか?
また「形成体(オーガナイザー)としてはたらくのは原口背唇部?脊索?」ちゃんと説明できますか?

まず原口背唇部と脊索の違いですが、原口背唇部が形成体(オーガナイザー)としてはたらき、自身が脊索になるのでしたね。つまり原口背唇部がのちに脊索になります。


次に形成体(オーガナイザー)としてはたらくのは原口背唇部か?脊索か?についてですが、答えは「どちらも形成体(オーガナイザー)としてはたらく」です。例えば「神経管の背腹方向の決定」について覚えていますか?ソニックヘッジホッグがはたらく「アレ」です。

次回の投稿でそのソニックヘッジボッグについて説明しますね!!

(上記画像はhttps://www.youtube.com/watch?v=qz4rrLV_jZgより引用)

2018年2月27日火曜日

高校生物(専門)「性決定様式と性染色体」

☆性決定様式と性染色体☆













性決定様式に関してはまずしっかりと覚えておいて下さい。
雄ヘテロ型」というのは、雄の性染色体がヘテロになっている場合です。
例えばヒトやショウジョウバエの「XY型」だったら、雌がXXでホモ雄がXYでヘテロ、だから「雄ヘテロ型」なんです。
次にバッタやトンボの「XO 型」雌の場合がXXで揃っているからホモ、雄の場合はXです。XOと書きますが、このO(オー)というのは0(ゼロ)、つまり無いという意味合いです。XXのように揃っていないので、Xだけでもヘテロ型と言います。だから雄ヘテロ!

次に「雌ヘテロ型」の場合について、
ニワトリなどの鳥類、ヘビ、カイコガなどの「ZW型」は、雌の場合がヘテロになっています。ただしここでもXYを使ってしまうと、「雄ヘテロ型」と混同してしまいますよね?だから「雌ヘテロ型」では代わりに「ZW」のアルファベットを使用します。
雌はZWでヘテロ、雄はZZでホモ、つまりヒトの場合と反対ですよね?だから雌ヘテロ型です。

ミノガなどの「ZO型」の場合、雌はZ雄はZZになっているので、こちらも雌ヘテロ型です。XO型の時と同じで、ZO型というのも、O(オー)は無いという意味です。だから雌はZの染色体1つ持っているだけです。

この性決定様式はなぜ「雄ヘテロと雌ヘテロが生じたのか?」「なぜXOZOのように1本のみ染色体を持っているものが存在するのか」はよく分かっていません。だから正直覚えるしかないのですが、
ホモになっている場合は同じ性染色体が2本あるので、1本がダメになっても予備があるので、病気などには強いです。だからヒトでもXXの雌がXYの雄よりも病気になりにくい。寿命も長いと言われています。
ヘテロの場合は性染色体が1本ずつなので、変異が起こるとそれが保存される可能性が高いです。

つまり、ホモ→変異が起こりにくい、安定している。
    ヘテロ→変異が起こりやすい、進化しやすい。 ということになります。

哺乳類ではXY型多いのは、子どもを安定して育てなければならない雌は変異しないホモになっている。また争う可能性の高い雄は変異を起こしてより強い個体になる必要がある。ということなのかも知れません。

また鳥類でZW型が多いのは、硬い殻の持った卵を作らなければならなかったので、雌の方で変異を起こさないといけない、つまり雌が変異の起こりやすいヘテロになった。ということなのかも知れません。

謎の部分が多いので、教科書や資料集では暗記項目として登場しますが、「なぜなのか?」と考えてみると面白いですね!

ちなみに多くの哺乳類のY染色体にはSRY遺伝子Sex determining region Y 性決定領域という意味)が存在します。この遺伝子が精巣形成のマスター遺伝子として働きます。


(上記画像はhttp://y-arisa.sakura.ne.jp/link/yamadaka/seimei-renzoku/sei/sex.htmより引用) 

2018年2月26日月曜日

高校生物(専門)「配偶子形成」

☆ポイント 「配偶子形成」☆
配偶子形成において、「精子の形成」と「卵の形成」における名称を押さえておきましょう!
(画像はhttp://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textlife/develop.htmより引用)

このあたりの名前がすごくややこしいですよね…。まず配偶子形成において、一番の元(もと)となる細胞は「始原生殖細胞」です。始原生殖細胞はいつ形成されるかというと、なんと「受精後3週目」です!!受精後3週目って大きさで言えば1cmにも満たないです。つまり、そんな小さい時から、もうすでに次の子孫を残すための準備が始まっているんですね!生命ってスゴイですよね!!

そして受精後5週目になると生殖巣原基と呼ばれるところまで、始原生殖細胞は移動していきます。生殖巣原基はオスならば将来精巣に、メスならば将来卵巣になるところですが、この段階ではまだ精巣や卵巣はもちろんできていません。


さて将来精巣になる部分(精巣原基といいます)に移動したものは「精原細胞」、将来卵巣になる部分(卵巣原基といいます)に移動したものは「卵原細胞」と呼びます。分化が進んでいますね。

次に「精原細胞」や「卵原細胞」は体細胞分裂を繰り返し、数を増やしていきます。(この時は「減数分裂」ではなくて「体細胞分裂」をしていることに注意!!)そして「減数分裂」ができるようになった状態をそれぞれ「一次精母細胞」「一次卵母細胞」と言います。

そして、一次精母細胞や一次卵母細胞は、思春期になると減数分裂をスタートします。(厳密に言うと、一次卵母細胞の方は出生時までに減数分裂がスタートし、減数分裂の第一分裂前期まで進んで、そこでストップしています…ややこしいですね。)

雄では、減数分裂によって、一次精母細胞は、→二次精母細胞 精細胞へと変化し、最後に形態変化(すなわち変態)を行って精子になります。(鞭毛を持った状態ですね)
※減数分裂スタートが「一次精母細胞」で、第一分裂が終了した段階が「二次精母細胞」、第二分裂が終了した段階が「精細胞」となります。再度確認しておいて下さいね!

雌では、減数分裂によって、一次卵母細胞は、→二次卵母細胞と第一極体 卵細胞と第二極体へと変化します。
※減数分裂スタートが「一次卵母細胞」で、第一分裂が終了した段階が「二次卵母細胞」と「第一極体」、第二分裂が終了した段階が「卵細胞」と「第二極体」となります。これも再度確認しておいて下さいね!


雄の場合は1つの一次精母細胞から4つの生殖細胞(精細胞・精子)が形成されますが、雌の場合は1つの卵母細胞から1つの生殖細胞(卵細胞)しか形成されません。