2020年1月20日月曜日

制御性T細胞について

高校生物選択者のために、簡単に制御性T細胞(Tレグ)について書いてみました。(少し基本的過ぎるかも知れませんが・・。) 私たちの免疫ではどのような抗原がやってきてもそれにピタッとくっついてやっつける受容体があります。
受容体の形はなんと1000億種以上あります。
でもそれなら自己成分にも反応して攻撃してしまうのでは?と思いますよね。 そうならないようにT細胞が胸腺で成熟する過程で、T細胞の教育が行われるんです。
例えば自己成分に強く反応してしまうT細胞は排除します(これを負の選択といいます)。
なぜなら自己成分に反応して、自分を攻撃してしまう可能性があるからです。

逆に自己成分と全く反応しないものも排除します(これを正の選択といいます)。
なぜならそういうものは外から入ってきた抗原に対しても反応しないからです。

こうして自己成分に反応しないしくみ(中枢性の免疫寛容)がはたらいています。(ここではT細胞で話をしましたが、B細胞も同じようなしくみがあります) ただ、このはたらきによっても排除されずに残ってしまう自己に反応してしまうT細胞があります。
それを抑えるのが「制御性T細胞(Tレグ)」なんですね。

この制御性T細胞の機能が低下してしまうと、自己成分に反応して攻撃してしまうことによって生じる「自己免疫疾患」が起こります。関節リウマチやⅠ型糖尿病などが有名ですね。 ある研究では、家畜とふれあうとアレルギーになりにくいということを調べていると、家畜と普段からふれあっている人ではこの制御性T細胞が増えていたという報告などもあります(NHKの番組でやっていたものなのでどこまで本当かどうかは怪しいところもありますが・・) またこの制御性T細胞は日本人の坂口志文によって発見されたことでも有名ですね!

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