2018年3月3日土曜日

高校生物(専門)「神経管の背腹方向の決定 BMPとShh」

今回はソニックヘッジホッグなどが関わる「神経管の背腹方向の決定」についてです。


神経管の背腹の決定を行うのがBMPBone morphogenetic protein:骨形成タンパク質)とShhSonic hedgehog)です。ちなみにmorphogen(モルフォゲン)は誘導など形態形成に影響を与える物質で、BMPは有名です。Shhは脊索から出されるモルフォゲンです。Hedgehog遺伝子は動物に見られる重要な遺伝子で、欠損すると胚にハリネズミのような突起が現れるので、ヘッジホッグ(ハリネズミ)の名前がつけられました。Shhhedgehog遺伝子の1つで、日本のゲームキャラクターソニックザヘッジホッグから名前が付けられています。また光受容に関係するタンパク質でピカチュウから名付けられた「ピカチュリン」という細胞外マトリックスのタンパク質もあります。
…と余計な話は置いておき、表皮からはBMP、脊索からはShhが分泌され、
Shh
は神経板の一部を同じShhを分泌する「底板」というものに誘導させます。
一方、表皮から分泌されるBMPは、神経管の一部を同じBMPを分泌する「がい板」に誘導します。
このようにして神経管では、BMPの濃度が高い方が「背側」になり、BMPの濃度が低い方(Shhの濃度が高い方)が「腹側」になります。



画像はhttps://bsd.neuroinf.jp/wiki/蓋板より引用

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